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2012.02.10 (Fri)
JONI MITCHELL(SONG TO A SEAGULL)
1968/REPRISE

これは、すごい。言ってしまえばその一言に尽きるのかも知れません。
カナダが誇るSSW、JONI MITCHELLのデビュー作です。
正直言ってこの人の事はほとんど知りませんでした。あえて言うなれば2ndアルバム『CLOUDS』のジャケットに見覚えがあったかしら・・・・・・?という程度です。

ごく最近の事なのに、なぜこのアルバムを手に取ったのか、その理由もイマイチ思い出せません。恐らくは「有名らしいから聴いてみよう。」といった程度の軽い気持ちだったのでしょう。
今になって色々な情報を仕入れてみれば、この1stアルバムは後の『BLUE』といった傑作アルバムの陰に隠れてしまっている、そんな感じですね。
私にとってはそのような先入観を持たずに聴けたというのが大きなポイントであったかと感じます。
再生をすれば流れ出すのは、おおよそ想像通りのアコギが響くフォーク・ソング。そしてほんの少し低いめの芯のある歌声。
そう、およそ想像通りの音楽のはずなのです。しかし、このオープニング曲「I HAD A KING」は何故か、何故か恐ろしい程の引力を持って響いてくるのです。それは一種の悲壮感であったり、そこから見える希望の美しさであったり、優しさであったりします。
MITCHELL の歌声は曲により一層の説得力を持たせ、低音は力強く、高音は涙を誘うように儚く響きます。
大雑把なイメージとしては、個人的にNICK DRAKEのくすんだ色合いとも繋がる部分があるとは思うのですが、やはり女性特有の華やかさも持ち合わせており、安易な表現ではありますが、まさにアルバム・ジャケットそのままのような音楽が味わえるのです。
決してキラキラと光るような色合いでは無いのですが、多くの色と細かい装飾によって美しい世界が構築される。そんな感じです。
純粋な(?)ギター1本のフォークだけでなく、ピアノと共にベースも参加した軽快な「NIGHT IN THE CITY」なども印象的です。この明るいイメージはやはりNICK DRAKE と通じる部分があるようにも思えますね。
しかし、MITCHELL の本領が発揮されるのはやはり最初の「I HAD A KING」のような、心の隅に引っかかる苦しさのようなものと希望的な響きが混在する曲であると思います。その路線としては「NATHAN LA FRANEER」なども素晴らしい仕上がりであり、途中にほんの少しだけ挿まれるエレキギター(ですか?)のノイズのような響きに首を絞められるような感覚がなお斬新で素晴らしく感じます。
個人的な好みとしては他に、謎のテンポの中で早口に海賊と踊り子の会話を描く「THE PIRATE OF PENANCE」、そしてエンディングを飾る、決意に満ちたような力強さと流麗さを持った「CACTUS TREE」などが挙げられます。
例えようの無い不安に近い感情や悲しさを感じさせながらも、結果として何か揺るぎ無い自信を持ったような曲で締め括られるというスタイルは、MITCHELL 自身のそれまでの人生を表現するというこのアルバムのコンセプトとして、非常に美しい輝きを見せてくれます。
非常に観念的で曖昧なレビューとなってしまいましたが、このアルバムが持つ引力の一部だけでも感じ取ってくださる方がいれば幸いに思います。
私もこれから他のアルバムをしっかりと聴いていく事にしましょう。
タグ : プログレ フォーク JoniMitchell ジョニ・ミッチェル カナダ 伝説 ふざける気も起きない
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